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猫雑貨Mimy店主 岡田慶司さん

2019年から熊野町で雑貨店を営む岡田さん。個性的な作品やグッズが並ぶ店内で、お仕事の楽しさや想いなどを伺いました。


・岡田さんは熊野町のご出身なのでしょうか?
元々は違うんですけど、もう20年ぐらいは熊野に住んでいます。本当、たまたまなんですよ。 

・こちらの雑貨屋さんはにいつ頃オープンされたんですか?
今年で4年目になりますね。メインとしては電気工事の仕事と雑貨店をやっています。この店を拠点に作家活動をしたり、広島市内のイベント関係の制作の手伝い、音響関係の仕事なんかもやっています。いろんなことをやっているので、久しぶりに会う友人とかには、「今、何やっとん?」とよく聞かれます(笑)。

・広島市内の方でイベントをされたりもするんですね。
そうですね、今、横川駅北口の商店街の方とちょっとお付き合いがあって、イベントをするので、ステージの構成とか音響を年に何回かやったりもしていますね。
 
・お店の建物はどのように見つけられたんですか?
熊野町はそもそも空き店舗は少ないんですけど、自宅から近いというところで、不動産屋さんを回って情報を集めていた時に、この建物が熊野の中央道路に沿っているので、ここで始めてみようと。

・お店を始めようと思われたきっかけは? 
僕が40歳ぐらいのタイミングでちょっと人生つまんなくなったんです(笑)。
ていうのが、結局20代半ばから自営業を始めて、同じ仕事をずっとやってたんで生活には困んないんけど、刺激なんて一切ないんですよ。
それで、このままあと何十年同じ仕事で消化試合するの嫌だなみたいなイメージがあって。僕が出来るかどうかわかんないとこを責めようって思った時に、「小売店」でいこうと。元々物作りっていうのも子供の頃から好きだったので、それと4年ぐらい前はハンドメイドがすごく流行ってた時期でもあるんですね。僕自身もハンドメイドっていうものをやってたので、じゃあやるかと。お金借りれるかなから始まりました(笑)。
 
・自分で制作された作品以外にも全国のハンドメイド作家さんのものを委託販売されていると聞きましたが、それはどういう経緯があったんでしょうか。
僕がものづくりが好きっていうのがあったんですが、当時のハンドメイド業界というものが、「 安かろう悪かろう」というか、何かバザーに近い感じがまだ残ってたんですね。今はだいぶ変わってきてはいるんですけど。例えば、昔はMinne/ミンネ(ハンドメイド作品を買いたい人と売りたい人をつなぐインターネットサービス)で商品を見た時に、本当に材料費プラス100円ぐらいしかつけてないような値段の商品があって、 そういう利益にならない仕組みの変革をしたいという気持ちがまずありました。うちは、あくまで作家さんの物を売るというには表向きの理由で、作家さんの土台作りと、底上げをするっていうイメージでやっているんですね。自分の好きなことと相まってこういう形の店になっていきました。

・Minne/ミンネを見ると、すごい素敵な作品が結構安く売られている印象がありますね。そう。だから世の中、働き方改革だブラックだって言ってる割には、自分がいざその事業を始めた時は、自分自身にブラックを課せるんですよ。ちゃんと時給換算していないし、作るのに1時間かかったとしたら、最低限の賃金分プラス材料費はつけなきゃダメだよとかね。作家さんには 利益率とか原価率とかっていう概念がない方が結構います。その辺も考えようねっていうのを伝えていくことも元々のお店のコンセプトではありましたね。 なかなか作家さんにはわかってもらえないですけど(笑)。

・作家さんの底上げというか、レベルアップを考えた上での活動ですね。
そうですね。結局、先行投資っていう考えは持ってるはずなんですけど、やっぱり今売れないと嫌だみたいな、薄利多売をやりがちなので、それは自分で首絞めるからやめた方がいいんじゃないのって作家さんにアドバイスすることもあります。
 

・どうしてここのお店は猫雑貨なんですか?
僕が猫好きだからです(笑)。特にゆるい猫が好きなんですよ。
おしゃれな猫よりもちょっとふざけた感じのゆるいのが好きで。なので、うちの店も、逆
に作り込まずにおしゃれにしないっていうことを意識しています。 おしゃれな雑貨店はい
っぱいあるので。基本、僕の悪ふざけを体現するってお店ですね(笑)。

・お店のHPはありますか?
作ってはいますけど、どちらかと言うと、お客さん向けよりも、委託しようと思う作家さん向けのホームページなので、お客さんも大体インスタかtwitterを使いますね。うちは特にtwitterです。

・やっぱりインターネットの力で、販売力含め今の時代に合ったやり方をしていかないといけないですね。
そうですね。ただ、うちはネット販売に力を入れてないんですよ。
 
・そうなんですか!?
はい。ECサイト(通販)作らずに、あえて1手間2手間お客さんにかけてもらう手法をとっています。簡単にクリックできるものは簡単に忘れるんですよ。

・はい、確かにそうですね。
作家さんは、ECサイト(通販)を作ってたくさん売れるんだったらそれがいいって思う方がきっと多いんですけど、うちのコンセプトとしては、「1個をちゃんと大事に」というのがあるんです。例えば、僕が作品を作る時は、お客様が作品を買ったときに、どういったプロセスをたどるかというところまでを設計するんです。ECサイトのように簡単に1クリックで購入して送られてきても、その時は可愛いとかいいねって言われるんだけど、 どこまでその作品に思い入れがあるかって言われると、購入のプロセスに手間をかけた方が作品に対する思い入れが絶対出てくると思うんですよね。だから、ECサイト(通販)をした方がいいのはわかってるんですけど、売り上げっていう面で言うと。
でも、コンセプトは変えられない。収益よりも思いですね。
この店はそもそも利益あげる店ではない。電気工事の仕事で生活はできるんで、ここのお店の収益はあくまでフラットにしていけばいいっていうのが大前提としてあります。

・こちらのお店に出品している作家さんは、元々どういう経緯でお知り合いになれたんですか?
知り合いづてと言うのもありますし、それこそインスタグラム ですね。インスタの広告を出したらやっぱり興味持っていただくことは多いです。ただ、認知度は高まるんですけど、コアな人たちを掴みにいくんだったら、インスタ広告ではなくて、口コミを重視したい気持ちはあります。
 
・作家さんづてで来そうな感じもしますね。
そうです。うちと感覚が合う作家さんは、別の作家さんを連れてきてくれますよ。 先ほど言ったように、とにかく売りたいという作家さんは、うちには合わないので。だから、委託販売店としてはちょっと変わった店です(笑)。お客さんも変わった人多いです(笑)。
お客さんっていうよりも、ふらっと寄って、野菜置いてかれる方とか、食べてって感じ。
それと地元の方と仲良くなれるのもいいです。お向かいさんとかも野菜をくれたりします。地域との繋がりは熊野でお店を開いて良かったことの一つですね。

・作家さんはこちらに何人くらい作品を置かれているんですか?
今は30人以上ですね。変動ありますが30人から50人ぐらいの間ですね。それ以上多いと棚に並びきらないので。

・ここでお店を出して4年間の中で、1番の思い出はありますか。
開業前かな。店内の棚とか全部、僕が作ってるんですよ。上の照明なんかも。ちょうど8月31日がオープンだったんですけど、本業があるので、そっちをやりながら、お盆休みを入れつつ朝から晩まで仕事しててオープンしたことが一番の思い出ですね。前日までバタバタしていて。一生忘れないです。真夏に地獄でした。
あとは、作家さんと話をしていく中で、こんなのを作ってみたらってアドバイスした時に、それがきっかけでその作家さんが売れるようになると嬉しいですね。僕よりも作家さんが結果出た方が気持ちは高ぶりますね。
 
・横の繋がりが増えそうですね。
繋がりがバリバリ増えますね(笑)。続けていたら何か起きるっていうのはありますよ。
確かに一回来ると忘れないですね そういうの大事です。印象に残んないのが1番辛い。
 
・熊野町に20年ぐらい住まわれてきて、おすすめの場所はありますか?
お店の近くに手打ちうどん「空(くう)」といううどん屋さんがあるんですけど、安くて量あって美味しいですよ。10食限定の空ランチ750円。おすすめですね。ただ、お腹空かせていかないとだめです(笑)。
熊野町って交通の便が悪いようで、車でどこに行くのも30分で行けるんですよ。今、新しい家もたくさん建ってきてるから、多分若い人たち、家族世帯の移住者とかも少しずつ増えてくると思います。今後のポテンシャルはいっぱいあるんだろうなとは思ってます。ただ、熊野町の良さの出し方を熊野町は知らないんだろうなっていう気持ちがあります。例えば、世羅町とかはすごくうまいんと思うんですよ。すごく開発も進んだし、例えばフラワーフェスティバルとかにも世羅町で出るとかもあるし。町がまとまって、何かを発信する力が熊野にないのかもしれない。まあ、僕は外から来た人間なんでそう思うのかもしれないですけど。熊野を盛り上げるっていう意味で言うと、旗となる団体とか人が出てくるといいんだろうなって個人的には思っています。

どうもありがとうございました。

終始笑顔で取材を受けてくださった岡田さん。独特なセンスで熊野町のハンドメイドの魅力を発信しています。
作品の制作から販売、購入者に届くまでの物語を考えてお店を経営する岡田さん、終始笑いの絶えない取材となりました。
岡田さんのお店「猫雑貨Mimy」のSNS情報は以下にお知らせします。ぜひ足を運んでみてください!
< 猫雑貨Mimy >

・HP:http://mimy3329.html.xdomain.jp/ 
・Instagram:https://www.instagram.com/mimy3329/?hl=ja
・Twitter:https://twitter.com/Mimy3329

「熊野町つなぐプロジェクト」
広島市立大学「2023年度いちだい地域共創プロジェクト」採択事業

広島市立大学の学生や地域の方と一緒に、熊野に暮らす「人」や熊野で活躍する「人」にスポットを当て、その「人」の想いや取り組んでいることを通じて、地域の魅力を伝える情報発信を行っています。
・熊野町つなぐプロジェクトInstagram:https://www.instagram.com/kumano_tsunagu.p/?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA%3D%3D


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